エゴン・シーレ展に行って来ました。

 

行きたい行きたいと願い、漸く赴けました東京都美術館。

無学でそれまでエゴン・シーレを知らなかったのですが、日曜美術館の紹介を見て強烈な興味が。

 

50点の大ボリュームに加え、ウィーン世紀末を生きた他の画家の作品もあり、とても面白かったです。

特に、私に刺さったのはリンツ。彼の「昼食(またはスープ)」は生きてる。額の中に描かれた世界観―人、陽光、空気、刻が生きてる。動いてる。たゆたってる。

クリムトの「シェーンブルン庭園風景」も生きてる。池が、水が、水面が、樹が、庭が生きてる。描かれていない羽虫さえ見える。この池のなかにはきっと苔が生えてて、とろんとした粘度の水に違いない。生温かそうだと誘われて思わずとぷんと入ると、きっと意外に冷たくって焦るのだ。

 

さて、シーレさんだ。どの絵も何度も何度も色んなタッチや速度で色を重ねているのが分かる。その記録が、絵の説得力に繋がる。そして、宣伝ではインパクトの強烈さが目立っていたが、いざ本物を前にすると、若くして天才だと言われていたのに、勢いで描いていない、1つ1つへのテーマに物凄い熱で向き合っている姿勢が感じ取れた。

 

本当に絵が上手い人のラフスケッチって、ブロック毎に見ると幼稚園児が描くミミズみたいな線なのに(😓失礼)絶対に外さない天啓のごとき線を引くから、どれだけラフでも“そう”にしか見えない。ジャコメッティやギュスターヴ・モローのラフ画を見た時も思ったけど。

 

あと、シーレさんは風景画も素晴らしいですね。「トリエステ港」を雑誌で見た時は、ガツンと来ましたΣ👊水をそう描くんかっ(;゚Д゚)!しかも17歳で!脱帽🧢

あの建物群を眺めていたら、ふと五味太郎さんが浮かびました。

シーレさんにはエロティシズムという一面もあるそうですが、私は実物を見てあまりそういう感じを受けませんでした。少なくとも卑猥ではない。いや、エロティシズムという言葉が芸術において決して悪い意味で使っているのではないことは分かっているけれど。でも逮捕されてるしw

あれは、ただひたすら“人間”を描いていたんだろう。妊婦なんて象徴的だし、純粋に肌の下に流れる血管や脂肪や血肉や老廃物なんかを内側から順にミルフィーユのように描き重ねていったら、結果的に生々しくなっただけなんだろうと思った。

 

1枚1枚ずぅ~~~と見つめていられる作品でした。無理くり予定を空けて行けて良かった。また1人、素敵な画家を知ることができました。

 

by さぁチュン