墨流し染め(マーブル染め)とは―

墨流し染めは、平安時代より歌集や経典の料紙を飾ってきた古い歴史のある工芸で、西洋ではマーブル(大理石の意味)染めと呼ばれています。
同一模様を創ることが不可能な特性を活かし、公文書への染め付けや本の装丁などに愛用されてきました。
水と色が織りなす無限のハーモニーを1枚ずつ手染めする、世界で唯一の染色です。

手描き友禅とは―


友禅染めという名称は、元禄年間頃、京都の知恩院門前に住んでいた扇絵師、宮崎友禅斎に由来すると言われています。
多彩な染色技法は、下絵の輪郭線に沿って置く糸目糊が防染の役割を果たすことで可能となりました。
それだけでなく、糸目糊はその繊細な線においてデザイン的にも優れており、友禅染の美しさを決定する要素ともなっています。型紙を用いずに下絵から糸目糊、色挿し、伏せ、地染めに至るまで、全工程を手作業によって染めつける、日本の伝統工芸です。


🔶手染めの証🔶


美しく染め上げるために必要なものが伸子です。
伸子とは、手描き友禅や墨流し染めなど、色挿しや地染めを行う際、生地をピンと張って固定する竹軸のことです。
生地が弛むと柄崩れがおこるため、四隅は竹の弾力性を使ってしっかりと固定させてあります。
そのため、お客様のお手元に届く商品のハンカチーフやストールなどには、少し伸びたような跡と伸子の針穴が四隅に残っております。1度洗って頂くことでそれらは無くなります。