マイルス

 

 

 

私がマイルス・デイヴィスを聞いていたのは「イン・ア・サイレント・ウェイ」

までで、ジャズ喫茶で聞いて、すぐレコードを買った。そして次の

「ビッチェズ・ブリュー」で興味を失った、1969年のことらしい。

私は72年頃から、ジャズ喫茶から足が遠のいた。

そして今から5年程前の頃、市川の北国分にあった喫茶店の主人と話を

していて、マイルスの事になった。彼は「ビッチェズ・ブリュー」がおもしろい

という、えっ、と思った。私はあれ以降まじめにマイルスを追わなかった。

で、それから1965年以降の彼の作品を全て聞いた。オモシロイ、興奮した。

特に「TUTU」、「1991年のライブ盤」、そしてユーチューブで見られる1980年代

後半から1991年までの、おびただしいライブ映像はぞくぞくするほど素晴らしい。

彼は死ぬまで本物で最先端の緊張感ある演奏を空間に切り裂いている。

私は茶店の主人に感謝しなければならない。

私は1981年のマイルス日本公演を新宿西口広場で聞いているが、ベースと

ドラムは流石に一流だなと思ったけれど、マイルスは何が何だか最低だと

思った。マイルスから離れたのは、そんな事も一因だが、仕事も、家庭も、

という時代に入っていた。

by ひいチュン