続・マイルス

前のページにつづく、続・マイルス、を書こうと思ったが、ひどく詰まらないような気が

してきた。僕の60年代後半は食事代を映画館代に替えるような、栄養失調の時代だ。

新橋の横断歩道で気を失って、タクシー運転手に歩道に運ばれた事もある。

 ジャズ喫茶めぐりは夜の日課で、主に渋谷、新宿、浅草だった。マイルスを忘れて

いた時期は前衛だと感じていた、アルバート・アイラー、アーチィ・シェップ、オーネット・

コールマン、ドン・チェリー、後年のコルトレーン、アートアンサンブル・オブ・シカゴなど

大音量の中で聞いた。それぞれの人が、自分の前衛を持っているのだろう。

バド・パウエルは見つければ買った。レコードは神保町界隈か銀座数寄屋橋のハンター

で買った。アルバイト代は映画、美術館、ジャズ喫茶、レコード、本、に消えたので、

よく歩いた、僕はやせっぽちだった。

by ひいチュン