アール・ハインズ
1974年の夏だった、九州の博多は暑かった。僕はジャズ喫茶トニーでアール・ハインズ
を聞いた。たまたま行ったら、看板がかかっていて、もう満員だったが店の人が前から
3番目ぐらいに無理やり席を作ってくれて、聞くことが出来た。その圧倒的な音圧と
常にガハハと笑いながら、ぶっとい指から途切れることなくメロディがでてくるスゴサ。
レコードで聞く以上の生きている迫力だった。彼が聞けたのは僕の自慢だ。
ハインズの彼女で歌姫が歌いながら僕と目が合って、その色気に僕はタジタジだ。
彼らはプロ中のプロだ、僕なんかいちころで。討ち死にさ。
ハインズはでかくてガッチリした体格で芋虫よりも太い指を持った、ガハハハな男だった。
by ひいチュン