黒いトースト

夢を見たのですが、面白い夢だったので、まあ聞いてください。

夜中にふとある町なかを歩いていると、一軒ぽつんと開いているお店があって、

まあ入ってみたんです、がらんとして誰も居なくて、カウンターに行くと、急になんですが、

ごく普通に、澁澤龍彦がお盆を持って現れて、「このトーストは実にうまく焼けました、

このこげかたは実に美しいものです。」といって黒くこげたトーストと珈琲が乗ったトレイを

私にわたしたのです。私は、ほほうなるほど、などと言ってポケットから1万円札をだして、

彼の隣に現れた女性に渡したのです、すると彼女は私の手に幾枚かの500円玉を

ジャラジャラとおとして、「500円玉は美しいものです。」と言うのです。

夢はここまでなのです、私は食事をしたかどうか、わからないのです。

by ひいチュン